口腔機能低下症(オーラルフレイル)
- 口腔衛生状態検査
- 口腔乾燥検査
- 咬合力検査
- 舌口唇運動機能検査
- 低舌圧検査
- 咀嚼機能検査
- 嚥下機能検査
口腔機能低下症(オーラルフレイル) 目次
オーラルフレイルとは
健康と要介護の間には、筋力や心身の活力が低下する「フレイル」と呼ばれる段階があり、その手前で、“オーラルフレイル”(ささいな口の機能の衰え)の症状は現れます。
食事でよく食べこぼすようになった、固いものが噛めなくなり、むせることも増えた。さらに滑舌も悪くなってきた・・・。こうした状態が続くようであれば、それはささいな口の機能の衰え、“オーラルフレイル”の可能性があります。
フレイルから続く要介護状態に陥ることなく、健やかで自立した暮らしを長く保つためには、オーラルフレイルに早く気づき、予防や改善に努力することが重要です。
羽田歯科医院では、50歳以上の方を対象に、オーラルフレイルの検査を実施しています。
検査の結果オーラルフレイル・口腔機能低下症と診断された方への口腔機能向上のお手伝いをさせていただいています。
健康寿命延伸のため、ぜひオーラルフレイルの検査をお受けされることをおすすめします。
オーラルフレイルで引き起こされる症状
口腔機能の低下
口腔の機能が低下し、咀嚼や摂食、会話、口腔清掃などの日常的な活動に支障が出ることがあります。
歯の欠損、咬合異常、口内炎、歯周病などが原因となることがあります。
栄養摂取の低下
口腔の機能低下により、食事の咀嚼や摂取が困難になり、栄養摂取が不十分になる可能性があります。
これにより、体重減少や栄養不良、免疫力の低下などののリスクが高まります。
口腔感染症の増加
口腔の免疫機能が低下し、口腔内の細菌や真菌の増殖が起こりやすくなります。
口腔感染症(例:口内炎、歯周病、口腔カンジダ症など)の発生率が高くなります。
お口の中に痛みが生じる
口腔内の炎症や感染によりお口の中に痛みが生じることがあります。
お口の中の痛みは食事や口腔清掃の困難さを引き起こし、食事制限や口腔衛生の悪化につながる可能性があります。
口腔機能の改善の困難さ
オーラルフレイルの状態は、一度進行すると改善が困難な場合があります。早期の口腔健康管理や治療の重要性が強調されます。
オーラルフレイルは、高齢者の総合的な健康と生活の質に影響を与えることがあります。
定期的な口腔健診や適切な口腔ケア、栄養バランスの摂取など、総合的なケアが重要です。
歯科医師や歯科衛生士との定期的な相談やフォローアップは、オーラルフレイルの予防や管理に役立ちます。
オーラルフレイルの検査
オーラルフレイルは、下記の7つの評価項目を用いて診断します。
口腔内の清潔度を舌の垢(下垢)の蓄積で評価します。
下垢の蓄積があると、口腔炎症や歯周病の進行などが起こりやすくなります。
また、虫歯や歯周病の原因にもなります。
口腔内の唾液の分泌量や質を評価します。
唾液の減少は、口腔乾燥感や咀嚼・嚥下の困難さを引き起こすことがあります。
歯の本数によって、咬合力の評価をします。
咬合力の低下は、咀嚼機能の低下や食事制限につながる可能性があります。
舌や口唇の運動機能の評価を行います。
舌や口唇の筋力や運動制御の低下は、食物の調理や咀嚼、飲み込みの困難さを引き起こすことがあります。
舌の圧力の測定によって、舌圧の低下を評価します。
低舌圧は、咀嚼や飲み込みの制限に関連することがあります。
咀嚼機能の評価によって、咀嚼の能力や効率の低下を評価します。
咀嚼機能の低下は、食物の咀嚼や消化に影響を与える可能性があります。
嚥下機能の評価を行います。
食物や唾液の正常な嚥下が困難になると、嚥下障害や誤嚥のリスクが高まります。
これらの評価項目を用いて、口腔健康や口腔機能の状態を総合的に評価し、オーラルフレイルのリスクや進行度を判断することができます。
歯科医師や医療専門家が適切な評価を行い、適切なケアや治療計画を立案することが重要です。
オーラルフレイルの改善
オーラルフレイルの改善には、口腔健康と口腔機能の維持や向上が重要です。
口腔衛生の改善
正しい歯みがきやデンタルフロスの使用、マウスウォッシュの利用などにより、口腔内の清潔度を高めましょう。
歯科医師や歯科衛生士による定期的なプロフェッショナルクリーニングも重要です。
虫歯や歯周病の治療
虫歯や歯周病がある場合や、歯が抜けたまま放置している場合、口腔機能の低下や痛みを引き起こし食事制限や口腔ケアの困難さが生じ、オーラルフレイルが進行しやすくなります。
適切な歯科治療を行い、口腔機能を回復させることで歯茎や歯のを健康に保つことができます。
栄養バランスの摂取
栄養豊富な食事を摂取することで、口腔健康と全身の健康をサポートしましょう。
咀嚼の困難がある場合は、食事の柔らかい食材や調理法の選択、食事の摂取方法の工夫を検討しましょう。
咀嚼機能のトレーニング
咀嚼力や口腔筋力を向上させるためのトレーニングを行うことが有益です。
当院でもトレーニングのサポートを行っておりますので、お気軽にご相談ください。
口腔乾燥の管理
口腔乾燥感がある場合は、適切な対策を取りましょう。
唾液代替品の使用、水分摂取の増加、口腔の保湿などが有効です。