睡眠時無呼吸症
- 座って読書中
- テレビを見ているとき
- 人の大勢いる場所(会議劇場)で座っているとき
- 他の人の運転する車に休憩なしに1時間以上
- 午後になって横になって休憩をとっているとき
- 座って人と話をしているとき
- 飲酒せずに昼食後静かに座っているとき
- 自分で車を運転中、渋滞や信号で数分間止まるとき
- 歯が多い人(歯がたくさん残っている方)
- 顎関節に問題がない方
- 鼻づまりのない鼻呼吸ができる方
- 歯が少ない人
- 鼻が詰まっていて、鼻呼吸が困難な人
- 顎関節に問題がある人
- 神経質な人
いびきは怖い
いびきをかいている人は、良ーく、深ーく眠っているように見えます。
しかし実際には気道が塞がり空気の通りが悪く、呼吸が抑制され、眠りが浅く、熟睡できていません。
いびきは気道が完全に閉塞しないものの狭窄した場合に生じ、閉塞すると無呼吸となります。特にあえぐような激しいいびきをしている方は要注意です。
睡眠時無呼吸症(SAS)とは、10秒以上息が止まる状態を無呼吸といい、一時間当たりの睡眠中に5回以上あるものと定義されています。
日本人で習慣的にいびきをかく人は2000万人以上もいます。
睡眠時無呼吸症の人は、そのうち約25%、約500万人と考えられています。
習慣ですから、家族、旅行中には同行者にも大変な迷惑をかけることになります。
夜間の睡眠が十分でないため日中の猛烈な眠気、傾眠をひきおこし、交通事故が発生をする結果がはっきり出ています。
また、仕事の効率低下やミス、夜間の頻尿、性欲の低下、心血管系疾患(高血圧・心筋梗塞・脳卒中)の合併や死亡率の増大などの問題も出てきます。
アメリカの研究では1時間当たりの無呼吸数が20回以上の重症の方は、無治療のままで放置すると9年後には心臓病、脳卒中、交通事故などの原因で10人中4人お亡くなりになっていたという驚くべきデータが出ています。
また、最近のアメリカのSASと生活習慣病の研究調査によると、正常な方と比較して、SAS患者さんは、高血圧は2倍、心疾患3倍、脳卒中は4倍、糖尿病は1.5倍発症する可能性があがるといわれています。
交通事故も、飲酒している人より重症のSAS患者さんのほうがハンドル操作ミスが多いというショッキングなデータもあります。
いびきとは、睡眠中の呼吸に伴う音のことです。 睡眠中は全身の筋肉が弛緩し、舌など喉の周りの筋肉も弛緩します。 寝ている間に重力で舌が垂れ下がって気道が狭くなり、そこを空気が通過するときに周囲の組織が振動していびきが発生するのです。
睡眠時無呼吸症かどうかの自己診断
下記の8つの質問で総点数が11点以上の時は、睡眠時無呼吸症の可能性があります。
0点:眠ることはない
1点:ときに
2点:しばしば
3点:だいたいいつも眠る
スリープスプリント療法
睡眠時無呼吸症は、スリープスプリントというマウスピースで治療します。
しかし、スリープスプリント治療は、すべての人に適しているわけではありません。
スリープスプリントによる治療が適さない方もいらっしゃいます。
スリープスプリントの治療法についてお伝えします。
いびきをかく人、睡眠時無呼吸症と診断された人は、歯科医院と他の医療機関で扱いが異なります。
例えば、耳鼻咽喉科で治療する場合、CPAPと呼ばれる鼻マスクを睡眠中にずっと装着したり、外科だと手術によって根本的な要因を改善する方法があるのです。
一方、歯科医院やいびき専門クリニックの治療として、「スリープスプリント」と呼ばれるマウスピースを睡眠中に装着する方法があります。
装着することで、舌が喉の方に下がらず、気道が広がって呼吸がしやすくなります。
スリープスプリントは小型で持ち運びしやすいので、旅行先でも使用できます。 そのため、家族や友人と一緒にいるときでも、いびきの心配を軽減することができます。
スリープスプリントには、保険が適用されるものとされないものがあります。
保険適用外の患者さんは、多少高額な治療費がかかりますが、医療費控除が受けられる場合もあります。
睡眠ポリグラフの結果により、専門医からのスリープ・スプリント製作の依頼がある場合は保険適用になります。
保険負担3割の方で、10,000円位です。専門医からの依頼のない場合は、自費診療になります。
保険適応のものは、顎の動きに対する自由度がないため、あまりおすすめできません。
おススメするものは上下顎分離型で費用は77,000円(自費治療)です。
スリープスプリント療法に適した方
スリープスプリント療法に不向きな方
歯に合わせてスリーブスプリントを作成するので、歯が少ない人はすぐに外れてしまいます。
スリープスプリントは寝ている間ずっと装着しているため、鼻がふさがると呼吸自体がしづらくなってしまいます。
スリープスプリントは、下あごを前にある程度突き出すように使います。
そのため、顎関節に異常がある方には適しません。
スリープスプリントを装着すると、口の中に違和感を感じます。
そのため、神経質な人は口の中が気になって眠れなくなることがあります。
いびきの2つのタイプ
単純ないびき
鼻づまり、疲労、飲酒、風邪などによる一時的ないびき。
原因が取り除かれれば、いびきは解消されます。
睡眠時無呼吸症を伴ういびき
音が大きく、継続的にいびきをかく方は、睡眠時無呼吸症が悪化して様々な重篤な病気になったり、交通事故に遭いやすくなったりします。 また寿命にも関係があると言われています。
呼吸が止まるたびに脳が短時間覚醒するため、眠りが浅くなることがあります。
その結果、頭痛で目が覚める、日中の強い眠気や倦怠感、集中力や記憶力の低下などの自覚症状が起こります。
その他の症状として、不眠、夜間頻尿、睡眠不足などがあります。
SASの原因としては、肥満による首の脂肪沈着、扁桃腺、アデノイドの肥大、舌が気道に押し込まれる、大きな舌、鼻の曲がりなどが挙げられます。
欧米人には肥満の人が睡眠時無呼吸症になる方が多いですが、日本人は痩せている人でも多いです。
これは、顎が小さいことによる骨格への影響と言われています。
睡眠時無呼吸症以外の疾患
呼吸が止まっていない睡眠中のいびきでも、治療が必要な病気が隠れていることがあります。
例えば、鼻中隔湾曲症(鼻の真ん中の中隔の湾曲)、肥厚性鼻炎(アレルギー性鼻炎などにより鼻粘膜が肥厚する慢性炎症)、鼻ポリープ(ハナ) テイク)病(粘膜ポリープにつながる鼻炎)、副鼻腔炎(副鼻腔の膿)、習慣性扁桃炎(扁桃の腫れ)、アデノイド肥大(の)感染やアレルギーで生まれたり成長したりしている鼻の奥のアデノイド)です。
これらの症状を治療することで、いびきを改善することができます。
しかし、放置しておくとSASになる可能性があります。
いびき、睡眠時無呼吸症は早めに治しましょう。
当院では、いびきや睡眠時無呼吸症でお悩みの方の治療を行っています。
ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。